生物の分類


■生物分類の5界説

1959年、ホイタッカーは生物をモネラ界、原生生物界、植物界、菌界、動物界の5界に分類する5界説を提唱しました。 彼は、生物の進化に大きく3つの方向があると考えました。1番目は光合成をして動かずに生活する植物の方向、2番目は運動して餌を食べる動物の方向、3番目は体の表面で有機物を溶かして吸収して生活する菌類の方向です。

彼はまず、細胞の構造が異なる原核生物を区別し、前述の3つの方向に進化して、よく発達した構造を持った仲間をそれぞれに植物界、動物界、菌界としてまとめました。そして、単細胞の生物では、それぞれが3つのどれかの方向に進化してきたのだとしても、その程度が低いので区別が難しい状態であるとして、まとめて原生生物界と名付けました。


■原核生物

最近のリボソームRNAをもとにした系統解析では、生物界を分ける最も大きな分類は真正細菌、古細菌、真核生物の3つであることが示され、また古細菌の方が真核生物に近いことがわかりました。すなわち、このことは原核生物は大きく異なった2つの系統からなり、加えて生物界を真核生物と原核生物に二分する分類が必ずしも実際の系統関係を反映しているとは限らないことを意味します。

藍藻や大腸菌は真正細菌であり、古細菌には海底火山の熱水鉱床付近に生息する好熱菌、死海などの高塩濃度の環境に住む高度好塩菌、ウシの胃などに存在するメタン菌があります。これらの原核生物は下等な生物であると思われがちですが、存在を脅かす多様な環境下で生き延び、非常に早い増殖を可能にするために無駄を省いたシステムをもつ現在の原核生物は高度に特殊化しており、原始的な生物とは大きく異なっていると想像されています。


■原生生物界

原生生物は、真核生物のうち、菌界にも植物界にも動物界にも属さない生物の総称です。すべての真核藻類(褐藻類、紅藻類など)、鞭毛をもつ菌類的生物(ミズカビ類など)、変形菌類(粘菌など)、原生動物(アメーバ、ゾウリムシなど)が含まれます。


■植物界

植物界はコケ植物、シダ植物、種子植物を含み、これらは同一系統から進化したものと考えられています。いずれも陸上で進化した高度な多細胞体制を持つています。系統的に近いと考えられる車軸藻類、緑藻類の一部、あるいは多くをこれに含める場合もあります。


■菌界

菌界には一般にキノコ、カビ、酵母と呼ばれる生物が含まれます。外部の有機物を利用する従属栄養生物であり、分解酵素を分泌して細胞外で養分を消化し、細胞表面から摂取します。分子遺伝学的情報からは、植物よりも動物に近い系統であることがわかっています。


■動物界

動物は一般に運動能力と感覚を持つ多細胞生物です。平板動物門と海綿動物門の2門(側生動物亜界)は器官が分化しておらず、不定形ですが、その他の動物(後生動物亜界)は器官系が分化しています。分化した器官をもつ後生動物は、規則的な形状をしています。すなわち、放射相称(刺胞動物門、有櫛動物門)または左右対称(その他の動物)のいずれかの形状を有しています。


■脊椎動物

動物の分類法には、背骨(脊椎)をもつ動物(脊椎動物)ともたない動物(無脊椎動物)とに分ける2分法が存在します。しかしこの分類は、ヒトを含む脊椎動物をより詳しく取り上げるときなどに、あくまでも便宜的に用いられる分類であることに注意しなければなりません。実際には、脊椎動物は大きな多様性を誇る動物界の1亜門に過ぎないからです。


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